建築
デザイン賞

門司港駅舎(復原)

門司区西海岸

九州鉄道の起点である門司港駅はまさに九州の玄関口であり、その駅舎の姿は長らく地域の顔として愛されてきた。建物の老朽化に伴い、6年間に及ぶ抜本的な解体修復工事を経て、2019年に大正期の創建当時に近い姿に復原された。

復原にあたっては構造から内外装の仕上げに至る詳細な調査に基づく徹底的な原型の探求に加えて、時計塔などの歴史を物語る一部の改変箇所が尊重保存され、カフェなどの新たな装いも加わり、人々の思いと歴史に寄り添う創造的な復原修景となっている。

夜間照明や広場の修景も相まって、レトロ地区全体の賑わいの核として堂々たる都市景観を作り出しており、まさに都市景観賞にふさわしい建築として高く評価された。

(選考委員 三笠 友洋)

所有者:九州旅客鉄道(株)

設計者:(公財)文化財建造物保存技術協会

施工者:九鉄工業(株)